獣医学部生執筆
犬の体はたくさんの毛が生えた皮膚によっておおわれています。皮膚は体からむやみに水分がうばわれないようにし、体を様々な細菌や有害な物質から守っています。汗や脂を分泌したり、体温を調節したりもしています。また、熱や冷たさ、傷の痛みなどを感じるように、まわりの様子を感じとるための重要な感覚器でもあります。
皮膚が刺激を受けて脱毛や炎症などを起こしてしまうと、皮膚の機能が障害されてしまいます。そして、細菌などが増えやすくなったり侵入しやすくなったりしてしまうのです。
犬の皮膚は人間の皮膚よりも薄くて傷つきやすく、また厚い被毛におおわれているため、しばしば汚れや細菌などが付着して、とれにくくなります。そのため、犬の皮膚病は人間よりも多くみられます。
皮膚病には「脱毛症」「膿皮症」「脂漏症」「疥癬症」「皮膚糸状菌症」「ノミアレルギー性皮膚炎」「アトピー性皮膚炎」「食物アレルギー」などがあり、免疫力の低下が原因となる「寄生虫」「細菌」「真菌」の感染、「ストレス」「アレルギー」「食生活」「紫外線」など様々です。膵臓や肝臓、腸などに異常があり、栄養を十分に吸収できないときにもおこる皮膚病もあります。
犬の生理的な脱毛はふつう、春先から夏にかけての季節の変わり目におこります。プードル、ビション・フリーゼ、ヨークシャー・テリアなどは毛が抜けかわることなく、ひたすら伸び続けるため、もし被毛が大量に抜けはじめたら、明らかに病気です。
犬の種類によっては罹りやすい皮膚病があります。例えば、シー・ズーや柴犬、ゴールデン・レトリバーは膿皮症に、ヨークシャー・テリアやプードルは皮膚糸状菌症になりやすいと言われています。
症状として「脱毛」「痒み」「体が臭い」「皮膚が赤い」「体がべとついて脂っぽくなる」「皮膚から落ちるフケが増える」「発疹」「患部をしきりになめる」などがあります。子犬などは痒みがあまりにも強い場合は、十分な睡眠時間を得られず、免疫力が落ちて弱ってしまうことがあります。また、人に感染してしまう皮膚病もあります。犬自身の不快感をなくすためにも、動物病院で診てもらいましょう。
皮膚の変化はブラッシングなどの日頃のケアを通して気づくこともあるでしょう。日頃のケアは病気の早期発見につながるのです。
治療法として「抗生物質」「抗真菌剤」「駆虫剤」の投与、「薬用シャンプーの使用」「痒みを抑える外用薬の塗布」「食餌療法」などを行います。皮膚病は様々な原因により引き起こされるため、原因に合わせて治療法を選択します。皮膚病によっては治療期間が長くかかる場合もあります。
シャンプーなどをして犬自身の衛生状態を良くする、室内で犬を飼っている場合は部屋を掃除して衛生的な環境で飼うなどをすることで、皮膚病の予防にもつながります。毛の長い犬は定期的にトリミングをしてあげましょう。皮膚病によっては犬同士や猫でもうつるものもあるため、皮膚病の犬や猫となるべく接しないようにすることが必要な場合もあります。定期的にノミやダニの薬を使って予防することも大切です。
※この記事は麻布大学獣医学部のご協力により作成いたしました。
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