動物看護士執筆
公益財団法人 日本動物愛護協会
相談室長 動物看護士 大橋志保先生
近ごろは手入れがしやすいようにカットをすることが主流のようで、なかなか長毛種のスタンダード犬にお目にかかれません。とはいえ、私も長毛種(犬)と暮らしているのに、気がつけばいつも全身にバリカンを入れてしまいます。暮しやすさ、手入れのしやすさ優先です。
これから春の換毛期がやってきます。古い毛はどんどん抜け落ち、室内飼育をしている家庭では掃除のたいへんな季節到来です。換毛期のない種類の犬でも、通常の生え替わりはあり、日常の抜け毛には個体差があります。
春と秋の犬猫の毛が生え替わる時期を『換毛期』といいます。1ヵ月くらいかけて大量の毛が抜け、新しい毛が生えてきます。これは人間の衣替えのようなもので、汗をかくことができない犬猫にとって、換毛期は、体温を調整したり、より快適に、健康に過ごすためにとても重要なことです。しかし、すべての犬に換毛期があるわけではなく、犬種や個体によっても、換毛の量には大きな差があります。また、最近は冷暖房の普及により、室内の温度調節された環境下で暮らしているため、換毛が起こらなかったり、時期や抜け方が不規則になっているケースもあります。
換毛期は気温の変化と日照時間が大きく関係しているといわれています。室内飼育の犬猫も日向ぼっこをする時間はとても重要なものなのです。犬猫にある程度の寒さや暑さを経験させ、散歩をしたり、外気に触れたり、気温を感じさせることで理想的な換毛が行われ健康な皮膚と毛がつくられます。
抜け落ちる毛を減らすのに最も有効なのは、ブラッシングやコーミングです。古い毛を取り除くことで、落ちる毛が少なくなります。古い毛をしっかり取り除くことは、次の季節のために必要な換毛を促すことにつながり、血行をよくし、新陳代謝を促進したり、皮膚を清潔に保ったりする効果もあるので、皮膚への刺激に注意しながら積極的に行いましょう。特に猫の場合、グルーミング時に一緒に毛を飲み込みます。うまく排泄されたり、毛玉として吐き出されればよいのですが、消化管に詰まることもあります。飲み込む毛の量を減らすためにもしっかりお手入れをしましょう。
ブラッシングやコーミングに加え、シャンプーをすることも抜け毛を取り除くとても有効な手段です。ただし、シャンプーのし過ぎは皮脂を奪い、乾燥を招き、肌トラブルを起こしやすくします。できるだけ低刺激で保湿効果のあるシャンプー剤を使いましょう。
日頃から犬猫の抜け毛の状態を観察しておきましょう。換毛期ではないのに、抜け毛が多い場合には何らかのトラブルの可能性があります。
大切な家族の一員である犬猫が、いつまでも健康で、できるだけ長く一緒に過ごせるための秘訣は健康管理です。スキンシップをしながらの、愛犬愛猫の日々の健康チェックは欠かせません。病気の早期発見や予防が重要になります。
*公益財団法人 日本動物愛護協会 相談室長 動物看護士 大橋志保先生 に記事を作成して頂きました。
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