獣医学部生執筆
犬や猫の皮膚にフケが異常に多く出る、あるいはフケが脂肪のようにねっとりとしている状態がみられる皮膚の病気を脂漏症といいます。脂漏症は、犬にもっとも多くみられる皮膚の角化(新しく生まれた皮膚の細胞が少しずつ皮膚の表面に到達して、最後にははがれ落ちる過程のこと)障害ですが、猫にもみられる病気です。
脂漏症の多くは、「細菌の感染」や「寄生虫の感染」、「ホルモンの異常」、「アレルギー」などが原因で発症します。また一方で、「体質」や「遺伝」的に異常を起こして発症することもあります。
「遺伝」性に発症する脂漏症のおもな原因は、新しく生まれた皮膚の細胞が異常に増えてしまい、その結果フケがたくさんつくられてしまうことです。子犬や子猫のときにフケなどの症状が現れはじめ、その時点で何らかの対策をしないと、細菌の感染などを引き起こして症状が悪化してしまいます。遺伝性の場合、完治させることはとても難しいため、治療は症状の改善やコントロールがメインになります。
猫種では、縮れ毛を特徴としたレックス種において脂漏症にかかりやすいといわれています。
症状がでやすいのは、犬猫ともに背中からしっぽの付け根の部分、脇の下、股の内側、耳のまわりなどです。脂漏症にかかると、乾燥したものや油っぽいものまでさまざまな状態の「フケ」がみられたり、「赤み」や「かゆみ」、「脱毛」がみられたりします。また、「油っぽい黄色く濁った色のかたまり」が皮膚や被毛にくっついていたり、ワックスをつけたような「べたつき」がおこって被毛が固まってしまったりもします。
さらに悪化すると、「強く不快なにおい」や、「激しいフケ」、「皮膚の変色」、「皮膚の硬化」などがみられます。加えて、症状のある部分にまた細菌が感染してしまうことで、化膿(うみが出た状態)して痛みを伴うこともあります。
油っぽさを抑える効果や、殺菌効果の強い薬用のシャンプーで頻繁にシャンプーをして、皮膚を清潔に保ちます。シャンプーの回数は週に2回ほどから始めて、症状をみながら頻度を調節します。症状の出やすい部分は、特にやさしく念入りにシャンプーするようにします。
また、飲み薬や塗り薬で皮膚のかゆみや赤みを徹底的におさえます。さらに、食事の内容を変えるなど、体質の改善を試みることも重要です。これらの対策は、必ず獣医さんの指導のもとでおこなうようにしてください。
脂漏症の予防のために飼い主さんができることは、日頃のブラッシングと定期的なシャンプーです。しかし、これらをしっかりおこなっていても、脂漏症は遺伝的に発症することがあります。かかりやすい例に挙げた犬種や猫種の飼い主さんは特に、皮膚にかわった様子がみられたら早めに病院でみてもらうことが大切です。
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※この記事は麻布大学獣医学部のご協力により作成いたしました。
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