獣医学部生執筆
動物の体の中には、自分と自分以外のものを区別して、自分以外のものを排除することで自分をウイルスや細菌から守ろうとする仕組みがあります。しかしこの仕組みが、ふつうは害のないものに対しても異常に反応してしまうことを「アレルギー」といいます。猫にも「アレルギー」があり、主に皮膚に症状があらわれます。
アレルギーによる皮膚の病気は、猫の皮膚の病気全体の約30%をしめています。そのなかでも発症の多い猫のアレルギー性皮膚炎には、原因の異なる次のような種類があります。
猫のアレルギーの中で最も多く、特にノミが活発に動く春から夏にかけてよく発症する。ノミが体に寄生して吸血することで、皮膚にかゆみの強い症状があらわれる。
アトピー体質を持つ猫で、季節に関係なく発症する場合と、特定の季節に発症する場合がある。ダニやハウスダストに反応して、かゆみを伴うポツポツが何度も繰り返しできる。
アレルギーになりうる食事を繰り返し与えることが原因となり、季節に関係なく発症する。ほとんどが食事を与えた後の数時間以内に、皮膚に症状があらわれる。
とくにかかりやすい品種というのはありません。あらゆる品種、あらゆる年齢の猫でかかることがありますが、最も多いのは若い猫です。
「アトピー性皮膚炎」では、ほとんどの猫が6ヶ月〜3才の間に症状を示すといわれています。
どのアレルギーにも共通する症状が「かゆみ」です。猫には、普段から自分の体を舐めたり掻いたりすることによって被毛のお手入れをする行動が見られますが、その掻き方がいつもとは違っているとき、皮膚に「かゆみ」がおこっている可能性があります。「かゆみ」の感じ方も猫によってさまざまですが、感受性が高い場合は一晩で皮膚を搔きこわし、出血していても掻き続けてしまうことがあります。
また代表的な症状として、全身または一部の皮膚に「赤いポツポツ」がでて、その部分が少し盛り上がり、そこにかさかさした「かさぶた」のようなものがみられることが多くあります。「脱毛」もよくおこる症状の1つです。
「食物アレルギー」では、皮膚の症状に加えて「嘔吐」や「下痢」を起こすことがあるため注意が必要です。
まずはアレルギーの原因となっているものを取り除く、または接触をさけることがいちばん大切です。「ノミアレルギー性皮膚炎」ではノミを取りのぞき、寄生の予防をすること、「食物アレルギー性皮膚炎」では食事の内容を変えることで、症状の改善がみられます。
同時に、かゆみや赤いポツポツに対しては、炎症を抑える作用をもつ薬を使って治していきます。皮膚の炎症は、できるだけ早く見つけて治療しなくてはなりません。なぜなら、いったん搔きこわしてしまうと、そこを舐めたり噛んだりすることにより細菌の感染をおこしてしまうからです。こうなると完治するまでに時間も手間もかかってしまい、なにより猫ちゃん自身が長い間かゆみに苦しむことになります。
かゆそうにしているなど、行動がなにかいつもと違っておかしいなと感じたら体をよく観察してみて、皮膚に異常を発見したらすぐに獣医さんに相談しましょう。
※この記事は麻布大学獣医学部のご協力により作成いたしました。
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