獣医学部生執筆
現代はストレス社会といわれていますが、犬も同じようにストレスを感じています。環境的なものや身体的なもの、精神的なものなど犬のストレスの原因にもさまざまなものがあります。
具体的な原因として、「運動不足」、「暑さや寒さ」、「けがや病気」、引っ越しや家族の増加など「環境の変化」、ひとりですごす時間が多いことによる「さびしさ」などがあげられます。このようなストレスを感じると、体やしぐさに変化が現れるようになります。
ストレスが原因で犬によくみられる病気として、「分離不安症」や「強迫神経症」という病気があります。
「分離不安症」は、犬が飼い主さんにベッタリな生活を続けていると依存心が強くなりすぎてしまい、飼い主さんの姿が見えなくなるだけで不安から問題行動を起こしてしまう病気です。
「強迫神経症」は、運動不足や退屈などのストレスを受け続けることで、意味の無い行動をくり返すようになる病気です。
もちろんすべての犬種でストレスを感じ得ますが、性格的にストレスを感じやすいといわれている犬種もいます。繊細な性格をもつチワワや、飼い主に依存しやすいマルチーズでは注意が必要です。
ストレスを示すサインには、「元気が無くじっとしている・疲れやすい」、「理由もなくずっと吠えている」、「被毛が抜ける」、「食欲が低下する」、「嘔吐をする」、「攻撃的になる」、「しっぽを追いかける」、「同じところをずっとなめる」などがあります。この中に当てはまる物がいくつかある場合、ストレスを感じている可能性が高いです。
また「分離不安症」では、飼い主さんの留守にしている間に「しきりに吠える、粗相をする、物を壊す」といった行動がみられるのが特徴です。
「強迫神経症」では、見えない虫を追いかけるような行動や、自分のしっぽを追いかけ回すなどの意味の無い行動をくり返します。
ストレスのサインがみられるときには、何が原因となっているかを考えて原因を取り除くことで、ストレスの蓄積を予防してあげてください。
運動不足や退屈が原因だと考えられるときは、散歩や遊びをする時間を作ってあげたり、笑顔で話しかけて積極的にスキンシップをとってあげたりしましょう。飼い主さんがゆったりとした気持ちで犬に接してあげることで、犬も落ち着いた気持ちになることができます。
また、飼い主さんに依存しすぎることでストレスになっていると考えられるときは、ケージやベッドなど犬が落ち着ける場所を作ったうえで、短時間の留守番から徐々にひとりでいることに慣らしてあげましょう。
犬も、人間と同じように心を持っています。自分が寂しいときにはたくさん話しかけてかわいがる一方、忙しいときは冷たく突き放すなど、飼い主さんの接し方がコロコロ変わることにも犬は不安を感じます。家族の一員として、いつも愛情を持って接してあげられるよう心がけましょう。
※この記事は麻布大学獣医学部のご協力により作成いたしました。
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