獣医学部生執筆
犬の毎日の食欲をチェックすることで、元気があるかどうか簡単にわかります。犬の食欲が落ちてくるときは、精神的や肉体的に何らかの問題が起きていることが多くあります。そのため原因を早く見つけてあげないと、どんどん体力が落ちていってしまいます。
犬の食欲が減退する原因としては、「さまざまな病気」、「ストレス」、「生活環境の問題」、「外傷」、「老化」などが考えられます。
食欲は健康のバロメーターですので、食事がとれない日が続くと、確実に体力は落ちていきます。元気があっても食欲がない場合、子犬であれば1日ほど、成犬であれば2日ほど様子を見て、まったく食べる様子がないときは病院に行ったほうがいいでしょう。また、元気もなく食欲もないというときは、できるだけ早く病院に連れて行ってください。大事にいたることもありますので、毎日のごはんの様子をチェックして、注意してあげてください。
原因によってどの犬種でもみられるものですが、超小型犬や小型犬ではもともと食が細く、好き嫌いが激しいといわれています。犬種でいうと、とくにトイプードルやマルチーズ、パグでよくみられるようです。
大好きなおやつやごはんにも横を向いてしまう、決まった時間になっても食べたがらない、食欲にムラがある、痩せてくるなど、症状はさまざまです。この症状は犬によく起こるものですが、体の中のどこかに異常がおきているメッセージであることが多いので、十分に気をつけましょう。
また、犬の健康状態にまったく問題がなくても、犬をペットホテルに預けたときや、違う散歩道に行ったとき、生活環境が変わったときなど、いつもの生活が急に変わると食欲をなくしてしまう犬もいます。その場合は精神的なストレスが原因ですので、なるべく早く元の生活に戻してあげましょう。
食欲がなくなっている原因を見つけて、治療をおこなうことで食欲は戻ってくることが多いです。病気や外傷が原因の場合、食欲が戻らず体力が落ちていると、病気の治りも遅くなります。ごはんにできるだけ犬の好物を入れてあげたり、栄養のあるものを混ぜてあげたりして、少しでも犬が食べられるように工夫してあげてください。ただし病気によっては食べさせると良くないものもありますので、まずは病院で相談してみてください。
また、健康なのに食欲が落ちていてなかなか食べてくれないときは、味の好みを考えてドッグフードを替えたり、ごはんを温めてにおいを強くしたり、市販のサプリメントを与えて消化を助けたりなど工夫してみると、効果がある場合が多いようです。
※この記事は麻布大学獣医学部のご協力により作成いたしました。
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