動物看護士執筆
公益財団法人 日本動物愛護協会
相談室長 動物看護士 大橋志保
暑くて湿度が高い日が増えてきました。梅雨が明けると本格的な夏が到来します。犬や猫は全身毛に覆われていて、そばにいるだけでお互いに暑さを感じます。
手入れも楽になるし、涼しそうだしとサマーカットをされる飼主さんは多いのではないでしょうか?
この季節は、夏を先取りしたサマーカットの犬猫が増えてきたように感じます。最近では、サマーカットのバリエーションのスタイルが増え、見た目の可愛らしさから、極端な短さを求めたり、イメージチェンジを期待する飼主さんも多いと思います。
サマーカットの代表として、バリカンで地肌が見えてしまうほど限界まで刈ってしまう「丸刈り」。そもそもサマーカットの本来の目的は、夏用に普段より短めにカットして、熱を逃がすことにあります。犬の被毛は夏でも役割があり、気温や直射日光、外部寄生虫から皮膚を守っています。
丸刈りではなく、バリカンで全体的に被毛を短めにカットし、お腹や腋の下、後ろ足の付け根などはさらに短くしたり、毛をすいて被毛の密度を低くすることによって身体を冷やす効果をあげることができます。通気性を良くすることで、体感温度を下げ、放熱量をあげることができると考えられています。
長毛種は夏の時期にしっかり手入れができないと熱がこもり、毛玉になってしまったところは皮膚病の原因になってしまいます。我家の垂れ耳わんこは、年間を通して(特にこの梅雨時期からは大変です)、耳の内側の毛を短くカットすることで、通気をよくし、蒸れを防ぐ努力をしています。それでもいつも蒸れ蒸れなのが悩みです。
私たちは自分の環境に合わせて犬や猫を選びますが、選ばれた犬や猫にとっては快適な環境であるとは限りません。暑さに弱い犬には暑さ対策を、寒さに弱い犬には寒さ対策をすることが、私たち家族の義務ではないでしょうか?
昨年、埼玉県で暮らしていたサモエド犬を、北海道へ譲るお手伝いをしました。さすがサモエド犬。雪を溶かすほどの厚い被毛を持っているため、北海道の冬の寒さもへっちゃらで、初めての吹雪もたくましく過ごしました。こうした犬種は、埼玉県で飼われるより北海道の方が適しているといえます。ロシア・シベリア原産の犬ですから、今の北海道の気温でもまいってしまう様子で、毎年初夏を迎える前にサマーカットしています。
丸刈りのようなサマーカットにはメリットもデメリットもあります。お手入れが簡単で、清潔に保てるメリットの反面、デメリットも十分理解し注意をしましょう。
サマーカットをしていることに関係なく、日常の対策はしっかりしましょう。
被毛に守られている皮膚が表に出ている状態になっているので、虫よけ対策をしましょう。
室内ではエアコンの影響を大きく受けます。冷気は床に溜まりやすくなりますので、人が心地よい体感温度でも、必要以上に冷えてしまうこともあります。適温を保ちましょう。
適正飼育されている場合は直射日光を浴び続けることはないと思いますが、直射日光が皮膚に直接あたることで、体温が急激に上昇し、熱中症になってしまうこともあります。
バリカンをかけることによって被毛の変化を生じることがあります。きちんと説明を受け、納得した上で行いましょう。
犬猫のサマーカットのスタイルは、見た目の可愛さや流行を優先するのではなく、犬猫の種類やその個体に合わせて快適に過ごせるように心がけましょう。犬猫に負担をかけてはいけません。しっかりと熱中症対策もできるように部分カットを組み合わせたり、上手にサマーカットを利用してこれから訪れる暑い夏を乗り越えましょう。
*公益財団法人 日本動物愛護協会 相談室長 動物看護士 大橋志保先生 に記事を作成して頂きました。
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