獣医学部生執筆
猫のウンチは、体調を知るための大事な手がかりです。毎日片付けるときに、いつもとウンチの様子に違いが無いか確認しましょう。1回ゆるいウンチをしただけで見た目にも元気そうであれば、それほど心配はいりません。しかし下痢が何度も続くようであれば獣医さんにみてもらうようにしましょう。
下痢の原因は、「小腸や大腸の異常」、「寄生虫」、「食べ過ぎ」、「異物の誤飲」、「環境の変化によるストレス」などさまざまなものがあります。まずは、身近なところに原因が無いか考えてみてください。たとえば、小さなおもちゃやビニールなど異物を飲み込んだ可能性はないか、急にフードの種類を変えてはいないか、引っ越しや新しい家族が増えるなどの環境の変化がなかったかなどです。
子猫の間はまだ消化器官が発達しておらず、よく下痢をします。これは成長するにつれて改善されるものですが、伝染病などの可能性もあるので、激しく続くなど気になるようであれば動物病院へ連れて行きましょう。
下痢を起こしている場合、ウンチの状態をみることによってある程度原因を推察することができます。ウンチの回数や状態、他にどんな症状があるか、食欲はあるかをチェックし、できればウンチは水分を奪われないようアルミホイルに包んで病院に持参すると、病気の特定がしやすくなります。
たとえば、
・「どす黒くてやわらかいウンチ」をしているとき、感染症や突然の激しい下痢で腸の表面に傷がついていると考えられます。
・「量が多く、白くて水っぽいウンチ」をしているときは、たいてい小腸の異常が原因です。
・「少量で、粘液や血液の混じったウンチ」を苦しみながら何度もするときには、大腸の異常が原因とみられます。
・「腹痛の症状を示し、下痢と同時に嘔吐する」ようなら、おそらく胃にも原因があります。
環境によるストレスが原因と考えられる場合、早めに原因を取り除いてあげましょう。下痢を見つけて家庭で猫用の下痢止め薬を飲ませ、じきに回復するようなら原因は比較的軽いものとみられます。しかし、下痢がなかなか治らず猫が痩せてきているようなら、病状は重大です。このまま放置すると症状はいっそう悪化していきます。重い下痢の場合、飼い主さんの手当てで治療することは困難ですので獣医さんの診断と治療が必要です。病院では、抗生物質や下痢止めなどの薬、寄生虫を駆除する薬など、原因に応じた薬を用いて治療をおこないます。
下痢の症状をできるだけ未然に防ぐためには、猫の生活環境を清潔に保ち、腐った食べ物などを与えないようにすること、毒物や異物が猫の口に入らないように気をつけることが大切です。
※この記事は麻布大学獣医学部のご協力により作成いたしました。
【PR】ペット用キングアガリクス100
皮膚・毛並みが気になるワンちゃん、ネコちゃんに対する飼い主様満足度82.5%、獣医師の満足度84.6%
© 2024 ケーエーナチュラルフーズ株式会社