動物看護士執筆
公益財団法人 日本動物愛護協会
相談室長 動物看護士 大橋志保
今年は例年に無いほど秋雨前線が停滞し台風シーズンと重なり、台風の接近時には秋雨前線を刺激するため、雨の多い秋となっています。
年間を通して2回ほど訪れる換毛期。犬猫にとって大切な時期なので、春の換毛期に続き今回は秋の換毛期についてです。「換毛期」とはいわゆる抜け毛のシーズンです。人間と同じような衣替えの季節です。
換毛期は春と秋にあり、春には冬毛が抜けて夏毛に替わり、秋には夏毛から冬の寒さから身を守るためのフワフワした温かな冬毛に替わります。通常は2週間から1ヵ月で全ての毛が生え替わり、それによって犬猫は体温調節をし、暑さや寒さから身を守っているのです。
猫はとてもきれい好き! 1日に費やすグルーミングの時間は起きている時間の30%とも言われています。その際、身体を舐めた時に一緒に毛を飲み込みます。毛は消化されないので、そのまま排泄されます。しかし、上手に排泄されないと胃の中に溜まって毛玉を作り、外に出すために吐き出します。
猫が毛玉を吐くのは自然なことで、その行為自体には問題はないのですが、もちろん異物があるということで不快です。食欲低下を起こしたり、餌の消化も妨げたりすると少し問題です。もっと恐ろしいのは、「毛球症」といって毛玉が消化器官に詰まってしまうことです。こうなると猫自身ではどうしようもなく、手術が必要に・・・放っておけば死に至ることも。
最近では食物繊維を豊富に配合し、毛玉のスムーズな排出を助けるフードがたくさん販売されていますので、上手に利用しましょう。併せて、飲み込む毛の量を減らすためにも換毛期のブラッシングは入念に行ってあげてください。
大きくなってからいきなりブラッシングをしようとしても無理があります。毛玉ができてからだとなおのこと、皮膚が引っ張られたりするので嫌な思いしか残りません。ブラッシングは心地よいものという認識を、小さい頃から体に触れることで慣らしておくことが大切です。
ブラッシングを嫌がる場合、最初はブラシやコームを使わない方法もあります。
まずお湯で湿らせたタオルをきつくしぼり、毛並みに逆らってゆっくりと湯拭きすると抜け毛がとれます。体表のフケや汚れも取れるため、効果的です。また、タオルを使わずにハンドグルーミングをする方法もあります。直接手を軽く濡らし、指を広げて毛並みに逆らって撫でてあげます。こうすると手の平に抜け毛がたくさんついてきます。
慣れてきたら、少しずつコームやブラシを用いてもよいでしょう。
またブラッシング時の注意ですが、くれぐれも抜け毛が飛び散らないように、ベランダや公共の場(公園等)で行うことはやめましょう。抜け毛もそのまま捨てず、ビニール袋等に入れるなど配慮しましょう。
これからの季節は昼と夜の気温差が大きくなるため、その子にあった防寒対策が必要となります。
日本動物愛護協会(JSPCA) では、犬猫が健康で安全に暮らすことができる「屋内飼育」を推奨しておりますが、すでに屋外で飼われている場合は、犬小屋を日当たりのよい場所に移動をしたり、中には毛布などを入れてあげましょう。
特に老犬や病気の子は夜間だけでも玄関に入れてあげる等の配慮も。
外猫たちには厳しい季節がやってきます・・・
室内の犬猫も、散歩などで外にでた時の温度差に注意しましょう。
洋服を着せることに抵抗のある方もいらっしゃると思いますが、ファッションということではなく、抜け毛が落ちることの防止、寒さ対策の一つとして必要に応じ取り入れてみることも大切です。
我家の寒がりワンコは、これからの季節は洋服をきて寒さ対策をしています。室内はもちろんのこと、外へ出るときは厚めのものを選択します。
体を触ったり、ブラッシングは、血行を良くする役割もあります。
ブラッシングをしてリラックスした犬猫は血の巡りが良くなることで、免疫力が上がり、病気の感染のリスクが軽減されます。
また愛犬・愛猫とのよいコミュニケーションにもなるので、換毛期に限らず日頃から積極的に行いましょう。
*公益財団法人 日本動物愛護協会 相談室長 動物看護士 大橋志保先生 に記事を作成して頂きました。
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