動物看護士執筆
公益財団法人 日本動物愛護協会
相談室長 動物看護士 大橋志保
犬、猫は自分の体をペロペロとよく舐めます。特に、肉球(指の間)を舐める姿をよく見かけませんか?舐める理由は様々ですが、あまりにも長く続ける場合は、原因を突き止めて、適切な対応をしてあげることが大切です。
何かが刺さったりして怪我をしている
→ その部分の修復のために舐めます。唾液には殺菌作用もありますが、舐め過ぎると口内細菌が付着して炎症を起こし、場合によっては指の間や肉球に赤い腫れができる指間炎を起こすこともあります。
肉球や指の間に泥や小石などの異物がはさまっているとき
→ 散歩時に何か不快なものがはさまると、それが気になり舐めてしまいます。足の裏の毛が伸びすぎたり、爪が伸びすぎたりすることも舐めたくなる要因の一つです。
退屈をまぎらわす
→ 遊びの道具の一つになり、指しゃぶりのように舐めることも。舐めすぎてただれた場合は、今度は痛みの方で舐めたりします。
お手入れ
→ きれい好きな子の毛づくろい。
体温を逃す
→ 肉球にある汗腺で冷却するために、舐めて肉球を冷やし体温調節をします。
ストレスがたまっているとき
→ ストレスで舐めているときは、気分転換をしてあげましょう。ストレスが解消できないと舐め続けてしまいます。
アレルギー
→ 何かしらのアレルギーで痒みがある場合もしきりに舐めます。アトピー性皮膚炎、ノミ・ダニ、食べ物などが考えられます。
犬、猫の指間炎とは、肉球の間に炎症を起こすことをいいます。肉球の間の皮膚が赤く腫れたり膿んだりします。痒みを伴い、しきりに舐めるため、悪化していきます。
犬、猫が指間炎になっている場合、何度も繰り返し肉球や指の間を舐めるため、指先や肉球が濡れ、湿っている時間が長くなります。肉球そのものに炎症が起こるケースは少なく、ほとんどの場合は指と指の間に炎症が見られ、赤く腫れて化膿することもあります。最初のうちは痒みが生じるだけですが、次第に腫れて痛みを感じるようになると、触ろうとするだけでも嫌がったり怒るようになります。また指間炎の痛みで歩き方がいつもと違い、足をひきずるようになることもあります。症状がひどくなると、脱毛や膿が見られることもあります。
肉球(指の間)が赤くなっていたら、早めに動物病院を受診しましょう。炎症を抑える飲み薬や、塗り薬、薬用シャンプーなどを使い治療します。
日頃から肉球(指の間)を清潔に保つことが予防となります。舐めているときは気をそらしてあげましょう。
犬、猫が肉球を舐めることは少しくらいなら問題はありませんが、あまり頻繁に、長く続けている場合は、犬猫からの何かしらのサインです。よく指の間を開いて見てあげましょう。
*公益財団法人 日本動物愛護協会 相談室長 動物看護士 大橋志保先生 に記事を作成して頂きました。
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