愛玩動物飼養管理士執筆
愛玩動物飼養管理士
青山ケンネルスクール認定 A級トリマー
大谷幸代先生
チワワにはロングコートとスムースコートの2つの被毛のタイプがあります。本来のチワワはスムースコートの犬種として誕生しましたが、その後、猟犬としての役目からペットとしての存在へと変わる中で、より気性を穏やかにという改良が重ねられ、ロングコート種が誕生したと言われています。
チワワの様に被毛が一定のサイクルで生え変わる犬種の場合、被毛の長さに関わらず年間を通じて抜け毛があるものです。
外見のイメージから、スムースコートの方が、抜け毛がすくないのでは?と思われることもありますが、実際にはスムースコートもロングコートも抜け毛の量自体にはさほど差がないものです。ただ、ロングコートの方が、抜け毛が飼い主の洋服や床に散乱した時に目に付きやすいので、量が多いように思われてしまうようです。
毛が生え替わることによって体温を調整している犬種の場合、抜け毛は本来は春と秋の換毛期と呼ばれる季節に目立つようになります。しかし、最近では、冬は暖房で部屋が暖かく、夏はエアコンで涼しいというように体感気温の逆転現象が起きていることもあり、この抜け毛の季節にもずれが生じているチワワも増えています。
ロングコートのチワワの場合、被毛の状態が健康のバロメーターの役割も果たしています。
・栄養状態が悪い
・内臓機能に不調がある
・痩せすぎている
・急激なダイエットをさせている
などの場合、被毛はパサつき、手触りも硬くなります。このような変化を感じた時は、食事の見直しや健康診断の受診をしてあげると安心です。
今やペットの半数以上が何等かのアレルギーを持っていると言われています。しかし、チワワは、数ある犬種の中でも比較的アレルギー発症率の低い犬種でもあります。
チワワは、確立された犬種として世間から認知されていたことから、無理な品種改良が進められることもなく、犬種本来の姿を維持している事がその理由とも言われています。その為、初めて犬を飼う方でも、大変飼いやすく、健康管理に手がかからないという事から、人気犬種になったといえるでしょう。
しかし、その反面体重管理には細心の注意が必要です。チワワは本来運動量がさほど多い犬種ではありません。その為、肥満傾向になりがちです。オスの場合、大変食欲が旺盛なことも多く、その傾向が強まります。
チワワの適正体重は、飼い主が思っている以上に少ないので、ぜひ動物病院を受診する際は、個々の体型に応じた適正体重の確認をしておくとよいでしょう。
チワワのシャンプーや爪切りなど日常的なお手入れは自宅で済ませているという方が多いでしょう。
自宅でのお手入れの時は
・肛門腺絞りも忘れずに済ませる事
・生乾きにならないように、しっかりと被毛の根元から乾かす事
・爪切りは、前足の狼爪(一本だけ上に生えている爪)も忘れずに切る事
・抜け毛をしっかりと取り除く、皮膚被毛の状態を良好に保つ事
を心掛けておきましょう。
また、ロングコートの場合、耳の飾り毛に毛玉が出来やすいので、日ごろから丁寧にブラッシングをし、シャンプー前にも毛玉の有無を確認しておくとスムーズです。
シャンプー剤は、リンスを使うもしくはリンス効果のある物を使用すると、洗い上がりの手触りがよく仕上がります。
チワワは、皮脂の分泌量がさほど多い犬種ではないので、低刺激の製品を選びましょう。洗浄力が強い製品を選ぶと、被毛のパサつきや皮膚トラブルにつながる事もあるので注意が必要です。
ブラシは、ロングコートの場合は、スリッカーと呼ばれる金属製の製品がおすすめです。抜け毛をしっかりと取り除き、被毛の根元までブラシが行き届きます。
スムースコートの場合、ゴム製のブラシがおすすめです。全身をしっかりとブラッシングし、短い抜け毛をすっきりと取り除く事が出来ます。
(空ちゃん)
ロングコートのチワワなのに、手触りが硬く、ごわごわしていました。オスだから?と思って諦めていたのですが、ドッグフードを良質な製品に変えたところ、だいぶ手触りが改善されました。
これまでは、あまりドッグフードについて詳しくなかったので、お店で見かける小粒タイプをなんとなく選んでいたのですが、原材料や成分についての話しを友人から聞き、評判のいい製品に変えてみたところ、一カ月ほどで変化を感じる事が出来ました。
高価すぎるかな?とも思ったのですが、実際には一月で1kgほどしか食べないと思うと、健康のためにはこれがベストだったのだと思えます。
アレルギー発症率が低く、体も丈夫なチワワですが、定期的な健康チェックを心掛けておきましょう。
・シャンプーの時は、被毛をかき分け、赤身、湿疹、腫れなどの皮膚の状態の異常をしっかりと確認する
・耳の後ろ、脇、腹部など同じ場所を頻繁に掻く時は、皮膚に異常がないかをしっかりと確認する
・被毛は手触りがよく、柔らかいかを確認する
健康に不調があると、被毛は硬くなり、水分が不足したような手触りになります。
チワワは身体が小さいので、不調が起きていてもつい見逃してしまいがちですが、日ごろから健康チェックを気にかけて、定期的に確認をしてあげましょう。
犬にも歯磨きが必要、虫歯の危険性についての話題を耳にしたことがありますか?
缶詰を与えていないから、ドライフードしか与えていないからとつい油断しがちですが、このような食生活をしていても、口の小さな小型犬は虫歯や口内トラブルを起こしてしまう事があります。
愛犬の歯並びを確認してみましょう。
大きな犬歯の後ろに細く尖った乳歯が残っていませんか?本来犬歯の生えるべき場所に、乳歯と犬歯の2本が並んで生えてしまうことがあります。この症状は、小型犬や顎の小さい犬に多く見られます。
この乳歯が残る事で、歯に余計な隙間が出来、高齢になる頃には、虫歯や歯石が歯間にたまってしまうからです。
乳歯が残っている場合は、動物病院に相談をし、早期に処置を済ませておくと安心です。
*このコラムは大谷幸代先生に記事を作成して頂きました。
【大谷幸代先生】
愛玩動物飼養管理士
青山ケンネルスクール認定 A級トリマー
メディカルトリマー
学生時代にイギリスへドッグトレーニングの勉強のため、短期留学。その後、ペットショップ販売員、トリマー、ドッグトレーナー、ペットシッターなど様々な仕事を経験してきた。ホリスティックケアアドバイザーや日本アロマテラピー協会認定アロマテラピーインストラクターなどの資格も取得。ペット関連用品の開発、雑誌などへのコラム執筆を手がけるなど、【犬を飼う生活から、犬と暮らす生活へ】の実現をめざし、幅広く活躍している。
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