愛玩動物飼養管理士執筆
愛玩動物飼養管理士
青山ケンネルスクール認定 A級トリマー
大谷幸代先生
ミニチュアシュナウザーと聞くと髭を長く伸ばした特徴的なスタイルが印象的な犬種です。テレビCMやドラマに登場する機会も多く、犬種名は知らなくても特徴的なスタイルは知っているという方も多い事でしょう。
日本では、ミニチュアシュナウザーは小型犬と中型犬のちょうど中間ほどのサイズ感と抜け毛がほぼ気にならない、体臭が強すぎないと室内飼育向きの犬種として大変人気です。最近では、定番のソルト&ペッパーという毛色以外にブラックやホワイト、ブラックタンといった希少な毛色も登場し、ますます人気が高まっています。
ミニチュアシュナウザーは、元は猟犬であった事から三角形にピンと立った耳、短い尻尾の写真が図鑑などでは紹介される機会が多く、ドッグショーでもこのようなスタイルを目にする機会が多いでしょう。
しかし、この姿に仕上げるには生後間もない時期に断耳、断尾の処理が必要になります。
すでに猟犬としての役目を必要としない事、外見だけを追い求めない事から最近ではこの処理は動物虐待に値するとされ海外でもあまり行われていません。
その為、ペットとして家族に迎えるミニチュアシュナウザー達は、先端が少し折れ曲がった耳と長目の尻尾を持っていることでしょう。
ミニチュアシュナウザー本来のお手入れの方法は、被毛をカットするときに、ハサミやバリカンを使用せずに被毛を指でつまみ、引き抜く技法を用います。
この方法でお手入れを続けていくと、次第に被毛は硬く、しっかりとした感触になり、2,3歳を迎えるころにはスチールウール状に仕上がります。口髭を整える時にだけハサミを使用しますが、体は被毛にハリがあるほど良しとされています。
この技法は単に外見上の逞しさを追い求めているわけではなく、皮膚に適度な刺激を与える事で新陳代謝を活発にし、皮膚が丈夫になる事を目指しています。
しかし、この技法は大変手間暇がかかり、トリミング費用も一般的な価格設定の倍以上になる事もあります。飼い主さん自身も、ゴワゴワとした手触りを好まない方が多いので、ペットとしてはあまり人気のない方法です。
ミニチュアシュナウザーは、本来さほど皮膚は丈夫ではありません。その為、中にはトリミングで使用するバリカンでバリカン負けを起こし、一時的に皮膚があれてしまう事もあれば子犬のうちからアレルギーを発症してしまうこともあります。日ごろから、健康管理、食事管理は十分に気を配ってあげましょう。
ミニチュアシュナウザーは非常に食欲が旺盛で、好き嫌いをする事もなくどんな食事でも喜んで食べてくれます。
しかし、実はあまり皮膚が丈夫ではないので、安価なドッグフードや添加物の多いドッグフードを食べ続けてしまうと、次第にアレルギーや脱毛、湿疹などのトラブルを起こしやすくなってしまいます。
健康な状態の時、皮膚は全身薄いピンク色をしています。しかし、健康上の不調がある時、一部分的に肌荒れを起こしている時は、皮膚が黒ずんだ紫色に変色してしまう事があります。
中には、肌荒れを起こしている部分を犬自身が不快に感じ、何度も舐めてしまいかえって症状を悪化させてしまうこともあります。
あまりに頻繁に掻く、舐めるなどの様子が気になる時は、出来る限り早く動物病院を受診してあげましょう。
またミニチュアシュナウザーは「過剰な油脂の接取」から皮膚トラブルが起こる事も多い犬種です。
涙やけ、内耳炎、指間トラブル、皮脂の過剰分泌などは実は日々の食事に原因がある事もあります。
これらの症状が気になる時は、安易に薬を使用せず、まずは食事を見直してあげましょう。
ドッグフードを低脂肪な製品に切り替える、おやつは脂肪分を含まない物に変えるなどの工夫で症状が改善される事もあります。
健康な状態のミニチュアシュナウザーの毛並みは、被毛の根元がしっかりと立ち上がっていて、ふわふわとした手触りをしています。(ハサミやバリカンでトリミングしている場合です。)
この毛並みを保つ為には、丁寧なブラッシングが欠かせません。
ミニチュアシュナウザーの被毛はとても絡まりやすい特徴があり、一旦絡まってしまうとなかなかほどけません。被毛にハリがあるので自然とほどける事がないのです。特にお散歩やお出掛けで被毛に土や枯れ葉が絡みついてしまうと、余計に強く絡まってしまいます。
また、雨で濡れた後やシャンプーで生乾きがある時に同じように強く絡まってしまいます。
この絡まりを放っておくと、次第に毛玉になってしまいます。
ミニチュアシュナウザー本来の精悍な様相を保つ為には、日ごろからこまめにブラッシングをしてあげましょう。
ただ、中にはブラッシングをされる事をとても嫌がる事もあります。このような時、家族が無理に抑え込み、ブラッシングをする習慣をつけてしまうと、益々ブラッシング嫌いが加速してしまうので注意しましょう。
ブラッシングを嫌がる時は、ガムや知育玩具などを用意し、別な事で気を反らしつつ、さりげなく済ませてしまいましょう。
もちろん、一度のブラッシングで全身を整える必要はありません。今日は前足一本だけ、明日はもう片方の前足だけと短時間で済ませるように工夫し、数日かけて全身を整えると考えてもよいでしょう。
この方法であれば、愛犬がガムに夢中になっている間にお手入れを済ませる事が出来ます。
(お客さまから頂いた声をご紹介します)
キングはオスのミニチュアシュナウザーです。普段は家族や子供ととても仲良く出来るのですが、爪切り、ブラッシングがとにかく大嫌いで、お手入れが始まる気配を感じただけで逃げ回り、捕まえても本気で噛みつくこともあります。
当然ブラッシングが十分に出来ず、足には毎回大量の毛玉が出来、トリミングを利用するたびに毛玉分の追加料金がかかっていました。
でも、私は初めて犬を飼うので、ミニチュアシュナウザーといえば定番のカットスタイルしか知りませんでした。背中は短く切ってもらっているので特に気にならないのですが、足の飾り毛が長くて毛玉が出来る事も、食事の度に口の周りが汚れてしまう事も不便とは思いつつもどうしたらいいのか考えも浮かびませんでした。
でも、偶然散歩で出会ったミニチュアシュナウザーが、耳の飾り毛を長く伸ばしかわいい顔立ちに仕上げ、体も足も短くすっきりとカットしている事に気がつき、それまでの私の悩みを一気に解消する事が出来ました。
私にとって、このキングと上手に生活をしていくという事は、自宅でのブラッシングを諦める事、日ごろのお世話が楽な事、そしてある程度のお洒落感が残せることが満たされたらそれで十分なのです。
その後は、トリミングショップを利用する時にキングの性格を事前に伝え、いかに日ごろのお手入れが楽になるかを追求したスタイルに仕上げてもらっています。このおかげで、毛玉が出来る事もなくなり、以前のように口周りが汚れてしまうこともなくなりました。
ミニチュアシュナウザーは食欲も旺盛で、体つきも頑丈ですが、皮膚は意外にデリケートな犬種です。
・ブラッシングを小まめにする
・皮膚そのものをしっかりと目で確認し、変色や肌荒れ、湿疹がないかを確認する
・同じ場所を何度も掻く、舐める時は動物病院を受診し、原因を突き止める
・被毛の根元がべた付く、内耳のトラブルがある、涙やけがひどい時は食事の見直しをする
また、若く健康なうちは、バリカンを使用したトリミングも支障がない場合でも、加齢とともに皮膚がデリケートになり、肌荒れを起こすこともあるので注意が必要です。
ミニチュアシュナウザーはテリア種の犬種の中では比較的性格が穏やかで、のんびりとした気質をしています。賑やかに騒ぎ立てることもさほどなく、家族とマイペースにのんびりとした生活を送る事を何よりの幸せと感じるので、人生最良のパートナーとなり得るでしょう。
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*このコラムは大谷幸代先生に記事を作成して頂きました。
【大谷幸代先生】
愛玩動物飼養管理士
青山ケンネルスクール認定 A級トリマー メディカルトリマー
学生時代にイギリスへドッグトレーニングの勉強のため、短期留学。その後、ペットショップ販売員、トリマー、ドッグトレーナー、ペットシッターなど様々な仕事を経験してきた。ホリスティックケアアドバイザーや日本アロマテラピー協会認定アロマテラピーインストラクターなどの資格も取得。ペット関連用品の開発、雑誌などへのコラム執筆を手がけるなど、【犬を飼う生活から、犬と暮らす生活へ】の実現をめざし、幅広く活躍している。
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