愛玩動物飼養管理士執筆
愛玩動物飼養管理士
青山ケンネルスクール認定 A級トリマー
大谷幸代先生
愛くるしい表情と穏やかな性格で人気のあるシーズー。最近では定番のシーズーのカットスタイルだけでなく、色々なカットスタイルを楽しむ方も増えています。
シーズーといえば、意外に毛量が多くブラッシングの手間や毛玉が出来やすい事が飼い主さん共通のお悩みです。
また、生まれつき皮膚がデリケートな事が多くアレルギーや皮膚トラブルは子犬のうちから気にかけてあげる必要があります。
シーズーは健康な状態の時は、皮膚は薄いピンク色をしていて、被毛の根元はふんわりと立ち上がっています。しかし、栄養バランスの乱れた食生活や脂肪分の過剰摂取、体質などの理由から不調が起こると、被毛の根元が皮脂でべた付き、被毛が立ち上がらない状態になります。この状態を放置しておくとアレルギーや皮膚トラブルへと症状は悪化してしまいます。
皮膚、被毛の状態の変化を感じたら早期に動物病院を受診し、その原因を突き止めて上げましょう。
シーズーは皮膚がデリケートな体質の事が多く、加齢とともに「イボ」が出来やすくなります。しかし、大抵の場合、イボのサイズが非常に小さく目立たないので、飼い主さんも気がつかないことがあります。イボが出来る場所は全身で、脇や内またなど目立ちにくい場所のこともあります。
トリミングを利用するときは、事前に全身の状態を確認しイボや皮膚トラブルの有無を調べておきましょう。シーズーのトリミングにはバリカンを使用します。バリカンで皮膚の表面近くをカットするので、イボを傷つけてしまったり、皮膚トラブルを起こしている部位を刺激する事の無いよう事前の説明が必要です。
また、垂れた耳に豊富な飾り毛が特徴のシーズーのカットスタイルは内耳トラブルの原因にもなります。シーズーは耳の中にも毛が生える特徴があります。耳の中に生えている毛は月に一度程度を目安に引き抜き、綺麗に取り除くお手入れが必要です。
お手入れの方法は
・耳の中に専用パウダーを振りかけます
・このパウダーは滑り止めの役割をしています
・パウダーを耳内部の被毛にしっかりとなじませます
・指で被毛をつまみ、そのまま引き抜きます
・最後にコットンで耳の中に残ったパウダーをふき取り完了です
このお手入れが何よりに苦手、耳に触れようとしただけで噛みつくという事もあるほどにシーズーにとっては不快なものです。
しかし、耳の内部の被毛を放置してしまうと、内部が蒸れひどい内耳炎を起こしてしまいます。家庭でのお手入れが難しい場合はトリミングショップや動物病院に依頼し処理をしてもらいましょう。
ただし、体質によっては耳の被毛を抜く事で耳の中が赤く腫れてしまう場合や黒ずんでしまうこともあります。耳内部の状態によっては、無理にケアをせず、動物病院での治療を優先してあげましょう。
シーズーの被毛は非常に細く、緩いくせ毛状です。一見ストレートにも見えますが、完全な直毛ではなく、ブラシで整える事で一時的にその状態を保っています。
一般的なシーズーのカットスタイルは背中の部分を短くカットし、耳、尾、足にボリュームが出るように被毛を長く残します。
このスタイルの場合、
・耳の付け根の毛玉
・足の被毛の絡まり、毛玉
・尾の被毛の絡まり
・脇、内またの毛玉
などがお手入れのポイントになります。
2,3日に一回はブラッシングをし、被毛表面の汚れや絡まりをしっかりと取り除いてあげましょう。
日々のブラッシングが難しい場合は
・脇、内またはバリカンで短く剃っておく
・足の飾り毛も短めにカットする
・耳、尾の飾り毛はすき鋏を使用し、毛量を調節する
という方法がお勧めです。
トリミング利用時に、日々どの程度のお世話が出来るのかを担当者と相談し、無理なく綺麗な状態を保てるようなスタイルに仕上げてもらいましょう。
(お客様からのお声をご紹介します)
メグは2歳になるシーズーの女の子です。ペットショップから購入した時から、耳のトラブルがあり、点耳薬を付けています。病気、治療と言われても素人に私には単なる汚れと臭いにしか見えないのですが、薬を止めてしまうと益々悪化してしまうという事で、今も日々の薬は続けています。
耳の状態がなかなか改善しないのは、耳の風通しが悪いからとアドバイスはされたのですが、シーズーの垂れた耳を無理に持ち上げておくことも出来ず、困り果てていました。時折、メグを撫でる時に耳をめくりあげ、風が通るように意識をする程度です。
でも、たまたまトリミングショップで見かけたシーズーが、耳の飾り毛をバリカンですべてカットし、丸顔に小さな耳というスタイルに仕上げていました。最初はこれまでに見たことの無いスタイルが単に可愛いと感じたのですが、飼い主さんに話しを聞いてみると、そのシーズーも耳のトラブルが慢性化してしまって困っている事、耳の飾り毛をすべてカットしてしまう事で、耳が軽くなり犬がただ歩くだけで自然と耳が揺れ、風通しがよくなり、症状が少しずつ改善されたそうです。
我が家も早速同じスタイルに挑戦した所、それまでより耳の汚れが軽減された上に、日々悩まされていた耳の毛玉のお手入れからも解放され、本当に手間がかからなくなりました。
シーズーは小型犬の中でも比較的体つきがしっかりとしている犬種ですが、皮膚はとてもデリケートです。
子犬の頃から食生活には十分注意をし、アレルギーや皮膚トラブルの回避に努めてあげましょう。
シーズーの皮膚、毛並みの異変を感じたら
・かゆみ
・赤み
・皮膚の黒ずみ
・湿疹やイボ
・自分で同じ場所を何度も舐めている
などの症状がないかを確認してあげましょう。
舐めている行為は一見、病気とは無縁にも思えますが、被毛の毛量が多いシーズーの場合、舐める事でその部分の被毛が湿り気を帯び皮膚がふやけてしまう事があります。特に足先や足裏を舐める事が多く、この行動を放置してしまうと次第に赤ぎれやひび割れなどの別の病気につながる事もあるので注意が必要です。
シーズーはとても賢く、飼い主に忠実な犬種です。性格も穏やかで些細なことには動じないおおらかさを持っています。忍耐強く、小さな子どもとも良好な関係性を築く事が出来ます。
シーズーというと定番のカットスタイルのイメージが強いものですが、日々のお手入れや愛犬の体質に応じてスタイルを工夫し、より生活しやすい事を最優先に考えてあげましょう。
*このコラムは大谷幸代先生に記事を作成して頂きました。
【大谷幸代先生】
愛玩動物飼養管理士
青山ケンネルスクール認定 A級トリマー メディカルトリマー
学生時代にイギリスへドッグトレーニングの勉強のため、短期留学。その後、ペットショップ販売員、トリマー、ドッグトレーナー、ペットシッターなど様々な仕事を経験してきた。ホリスティックケアアドバイザーや日本アロマテラピー協会認定アロマテラピーインストラクターなどの資格も取得。ペット関連用品の開発、雑誌などへのコラム執筆を手がけるなど、【犬を飼う生活から、犬と暮らす生活へ】の実現をめざし、幅広く活躍している。
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