愛玩動物飼養管理士執筆
愛玩動物飼養管理士
青山ケンネルスクール認定 A級トリマー
大谷幸代先生
マルチーズは性格も体質もとてもデリケートな犬種です。
日ごろから食事、被毛のお手入れ、適度な運動をバランスよく取り入れ健康には十分気を配ってあげましょう。
マルチーズの被毛は薄い一枚の布をまとっているような構造をしています。その為、寒さや寒暖差に敏感です。
例えば、冬はエアコンや暖房器具で十分に暖められた部屋から散歩の為に寒い屋外へ連れ出す時の寒暖差で風邪をひくこともあります。
室内ですごしている場合でも、深夜早朝にエアコンを切った部屋の中で過ごさせてしまうと体調を崩し、下痢などの症状が起こることもあります。
マルチーズは、自身の被毛だけでは寒さ対策が十分に出来ないので、生活環境に応じて洋服やベッドなどを用意してあげましょう。
マルチーズの被毛はとても細く、量も少ないのが特徴です。
被毛がやわらかいので動きの多い部位(耳、脇、尾の付け根など)は毛玉になり易いので注意が必要です。
マルチーズはとてもデリケートな犬種なので、アレルギーの有無、原因物質の特定を早期に確認しましょう。
確認の方法は動物病院の血液検査で、詳細を調べる事が出来ます。
原因物質が特定できたら、日々の食事から特定の物質を取り除き、アレルギーの発症を予防してあげましょう。
【マルチーズに起こりやすいトラブル】
・耳が垂れているので内耳の汚れ、赤みなど
・指の間を自分で舐めてしまい湿疹やただれを起こす
・涙やけ
・目やに
・大量の涙
・皮膚の湿疹や肌荒れ
・毛玉による皮膚の蒸れ、荒れ
マルチーズの耳は、耳の内部にも被毛が伸びます。
月に一度程度を目安に耳内部の被毛を抜き去り、通気をよくし汚れをふき取るケアが必要です。
でも、大抵の場合このケアをとても嫌がります。
家庭でのケアが難しい場合はトリミングショップや動物病院に相談をしましょう。
涙やけ、指の間の不快感、被毛のべた付きなどの症状は、日々の食事で脂肪分の過剰摂取をしている場合にもよく見られます。
症状の改善にドッグフードの見直しが効果的な場合もあります。
日々の食事を脂肪分の少ない製品に変え様子を見てあげましょう。
マルチーズはとても被毛が細く、繊細です。
1,2日おきに丁寧なブラッシングが必要です。
ブラッシングをする時は、背中だけでなく
・耳の飾り毛
・脇から足先にかけて
・脇
・内股
・後肢の内側
・尾の付け根
・尾の飾り毛
といった部分も丁寧にケアをしてあげましょう。
毛玉が出来ているときは、スリッカー(先端が針金状のブラシ)で丁寧にほどきます。
安易にハサミで切ってしまうと毛玉の部分だけ被毛が短くなってしまい、カットスタイルが崩れてしまうので注意が必要です。
もし、大きな毛玉が出来てしまった、体全体にたくさんの毛玉が出来てしまったという時は、トリミングショップに相談し、一旦は被毛の根元付近で短く切りそろえてしまいましょう。
目ヤニ、涙やけ、涙が気になる時は、こまめに顔周りの被毛のカットをし、目に被毛がかからないように注意してあげましょう。
自宅でシャンプーをする時は、「低刺激」「無添加」のシャンプー剤を使用しましょう。
市販のシャンプーの中には「白毛用」「ディープクレンジング」といった洗浄成分の強いものもありますが、デリケートな体質のマルチーズには不向きといえます。汚れが気になる時は、低刺激のシャンプーで洗う頻度を高める事でケアをする方が安心です。
補足:マルチーズは、通常であれば月に一回のシャンプーで十分ですが、散歩の頻度が多いなどの理由で汚れやほこりっぽさが気になるようであれば、月に2回ほどが目安になります。
(お客様からのお声をご紹介します)
とても性格が活発で、お散歩大好き、他犬との遊びも大好きという性格のジャンプは1日に3,4回はお散歩に出かけています。
家の中に居る時は退屈なのか、ストレスなのかいつも自分の前足を舐めていて、次第に前足の先だけ被毛の色が茶色く変色してしまい、時々歩くときに片足だけ持ち上げるような仕草を見せることもあります。
ジャンプが出来る限りストレスを感じないようにとも思い、何度も散歩に連れ出すのですが、帰宅するとまた同じ行動の繰り返し。
無理やりエリザベスカラーを付けて、前足に届かないように工夫をすると、益々ストレスがたまるようでイライラしていました。
あまりに症状が酷いので、ドッグトレーナーさんに訪問してもらい、日々の様子を確認してもらったところ、なんとジャンプの足舐めの原因が私にあったのでとても驚きました。
我が家では、散歩から帰宅するとそのままジャンプを抱き上げ、足を洗い、後はタオルで軽く水分をふき取る程度で済ませていました。
この行動のせいでジャンプの足は指の間の被毛が湿り気を帯びたまま、蒸れてしまいその不快感から足舐めを繰り返していたのです。
思いもよらぬ指摘と自分自身の知識不足を大変反省し、それからは足を洗った後はドライヤーで指の間までしっかりと乾かし、トリミングショップでは、足周りの被毛をバリカンで短くカット、日々のお手入れが楽になるように工夫してもらいました。
被毛の長い犬の場合、足洗いもきちんとケアが必要だと気がつくことができてよかったです。
非常にデリケートで繊細なマルチーズは、被毛の隙間から皮膚が垣間見えます。
健康な状態の皮膚は薄いピンク色で、被毛の根元は立ち上がっています。
しかし
・被毛の根元がべた付いている
・被毛が立ち上がらない
・皮膚に赤みや黒ずみがある
・耳から悪臭がする
・耳の内部に黒や茶色の汚れが大量についている
・目ヤニ、涙が多い
などの症状がある時は、まず原因を突き止め生活の見直しをしてあげましょう。
マルチーズは加齢とともに皮膚、被毛がますますデリケートになります。症状によってはトリミングの際はバリカンを使用せず、皮膚、被毛への刺激軽減のためにハサミで作業をしてもらえるように相談をしてもよいでしょう。
真白な被毛に、真っ黒で真ん丸な目、繊細な体とマルチーズの存在は飼い主を魅了します。
マルチーズは見た目の印象のままで、とても繊細な犬種です。日ごろから些細な変化に目を配り、不調には早期の対処をしてあげましょう。
*このコラムは大谷幸代先生に記事を作成して頂きました。
【大谷幸代先生】
愛玩動物飼養管理士
青山ケンネルスクール認定 A級トリマー メディカルトリマー
学生時代にイギリスへドッグトレーニングの勉強のため、短期留学。その後、ペットショップ販売員、トリマー、ドッグトレーナー、ペットシッターなど様々な仕事を経験してきた。ホリスティックケアアドバイザーや日本アロマテラピー協会認定アロマテラピーインストラクターなどの資格も取得。ペット関連用品の開発、雑誌などへのコラム執筆を手がけるなど、【犬を飼う生活から、犬と暮らす生活へ】の実現をめざし、幅広く活躍している。
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