愛玩動物飼養管理士執筆
愛玩動物飼養管理士
青山ケンネルスクール認定 A級トリマー
大谷幸代先生
キャバリアは元々イギリス貴族に寵愛され、誕生した犬種です。
その為性格はとても穏やかで攻撃性がなく、激しい運動も好みません。
貴族の婦人の膝に上に座り、撫でられながらのんびりと過ごすという生活に向いた犬種です。
このような背景で誕生したこともあり、キャバリアの被毛は非常に細く、柔らかく、手触りの良さが特徴です。
キャバリアの被毛はとても繊細なので、日々のブラッシングは力を入れ過ぎないように丁寧に進めましょう。
毛玉が出来てしまった時は、スリッカー(先端が針金状になっているブラシ)を使用し、毛玉の部分だけを丁寧に解きほぐします。
被毛が細く、柔らかいので耳の後ろ側、尾、内またなどに毛玉が出来やすい犬種ですが、毛玉だからと安易にハサミで切ってはいけません。個々の体質にもよりますが、中には一旦切ってしまった部分の被毛が再度生えそろう事がないこともあります。
夏のサマーカットも同様で、一旦短く切り揃えてしまうと、その後、元の長さに生え揃わないこともあるので十分に考えてからカットスタイルを決めましょう。
キャバリアは他犬種に比べ皮脂の過剰分泌による皮膚トラブルが多い犬種です。
健康な状態の時の皮膚、被毛は適度なうるおいがあり、被毛の根元は軽く立ち上がっています。
しかし、皮脂の過剰分泌が生じているときは、被毛は皮膚に這うようにペタリと寝てしまい、手で触れた感触は皮脂のべた付きを感じます。
さらに過剰な皮脂から体臭が強くなり、シャンプーをしても直ぐに強い体臭が気になるようになるでしょう。
この症状が起こっているときは、内耳や足指などの皮膚がデリケートな部分により強い症状が起こっていることもあります。
・食生活の見直し
・十分な運動をさせ新陳代謝をあげる
・日々屋外に連れ出し、自然光を浴びせ基礎代謝をあげる
などの方法が効果的です。
症状が悪化すると部分的な脱毛やかゆみ、湿疹が起こる事もあります。
薬剤を使用した対処方法は即効性があり、強い効き目でかゆみを抑える事も出来ますが、あくまでも応急処置と考え基本的な生活を見直し原因そのものを取り除いてあげましょう。
キャバリアは春と秋の年2回を目安に全身の被毛が生え変わります。
しかし、室内で生活をしている場合、季節の変り目を実感しにくくなり抜け毛のサイクルが本来のタイミングよりも大幅にずれ込む、明確な換毛期がなく一年中抜け毛が続く、冬に夏毛が生えるなどの変化が見られます。
このサイクルを無理やり正常な状態に戻す事は難しいので、愛犬の体質と考え上手に付き合ってあげましょう。
・抜け毛をきちんと取り除き、新陳代謝を高める
・抜け毛を取り除く、皮膚被毛の通気性をよくする
・湿疹、赤みなどの皮膚トラブルを早期に発見する
・シャンプーを月に1,2度行い皮膚被毛を清潔に保つ
という方法が効果的です。
被毛が大変細く、柔らかいキャバリアのブラッシングには、ピンブラシと呼ばれる製品を使用します。
ピンブラシとはブラシの長い被毛を整え、艶をだすためのブラシです。クッションが土台についているので皮膚や被毛を痛める事なく抜け毛や汚れを取り除き、被毛の流れを整える事が出来ます。
自宅でシャンプーをする時は、シャンプー前にスリッカーブラシで毛玉や絡まりをほどいておき、シャンプー後のドライヤーの時にピンブラシを使うという手順で進めましょう。
キャバリアのキラリちゃんは、健康状態がよくアレルギーもないものの、大量の涙がある事、その事で涙やけがある事が飼い主さんのお悩みでした。
日ごろ頻繁に涙をふき取ったり、シャンプーの時に念入りに洗い流すものの一旦涙で着色してしまった被毛の色は元には戻らず、次第に悪化するばかりです。
キラリちゃんは内耳にもトラブルがあり、ひどい汚れと悪臭で点耳薬を毎日使用しています。
キラリちゃんの生活環境をヒアリングしてみると、散歩には朝夕毎日出掛け、多頭飼いで室内には他2匹のキャバリアが同居しています。
シャンプーは2カ月に一度トリミングショップを利用するとの事でした。日中は他犬と共にケージで過ごす時間も長いそうです。元々ペット向けに作られた住宅でありケージは階段下のスペースに作り付けの構造です。
キラリちゃんの不調の原因は、この生活環境にありました。散歩はもちろんですが、他犬とともに生活する環境、風通しの悪いケージ位置から知らぬ間に不衛生な環境が出来上がってしまっていたのです。
キャバリアは大きな目も特徴です。しかし目が大きいからこそ目の表面に汚れがつくと涙で洗い流そうとして涙やけが起こります。
この悪循環を改善するために、キラリちゃんは2カ月に一度のトリミングショップ利用の合間に自宅でもシャンプーをする事、ケージ内を清潔に保つ事、ドッグランなど埃が多い場所へ出掛けた後はシャンプーやブラッシングをし、体を清潔にしてあげるように生活を改善しました。
その結果、それまでに比べ抜け毛の掃除が楽になり、体臭も軽減され、涙やけも改善され始めました。愛犬の不調が必ずしも愛犬の体質に原因があるわけではなく、思わぬところに原因があることもあるものです。
キャバリアの被毛は長さがあるものの、被毛の量自体はさほど多くはありません。
その為、全身を撫でる、ブラシをするだけで被毛や皮膚にトラブルを簡単に発見する事が出来ます。
中には、耳や尾の飾り毛は長いものの、体全体はブラシをかける程被毛が長くないという事もあるでしょう。
・撫でる時は、全身を撫でる
頭や背中だけでなく、時には脇腹、腹部、首など全身を撫で、しこりや脱毛、湿疹がないかを見てあげましょう。
・耳や内また、脇など見えにくい場所ほど要注意
一見目が届きにくい場所こそ、病気の症状があらわれやすい場所です。この場所をこまめにチェックしてあげると、病気の早期発見につながります。
・抜け毛が多いのは正常、薄毛は異常
キャバリアは年間を通じて抜け毛が目立つ犬種です。しかし、もし以前に比べ被毛の量が減っている、地肌が見える部分があるなど薄毛の部分があれば、何等かの不調のサインです。
キャバリアはとても甘えん坊な犬種で、飼い主の傍で過ごす事が大好きな犬種です。日々のふれあいの中で、さりげなく全身を撫で、気になる部分や不調がないかを確認してあげましょう。
*このコラムは大谷幸代先生に記事を作成して頂きました。
【大谷幸代先生】
愛玩動物飼養管理士
青山ケンネルスクール認定 A級トリマー メディカルトリマー
学生時代にイギリスへドッグトレーニングの勉強のため、短期留学。その後、ペットショップ販売員、トリマー、ドッグトレーナー、ペットシッターなど様々な仕事を経験してきた。ホリスティックケアアドバイザーや日本アロマテラピー協会認定アロマテラピーインストラクターなどの資格も取得。ペット関連用品の開発、雑誌などへのコラム執筆を手がけるなど、【犬を飼う生活から、犬と暮らす生活へ】の実現をめざし、幅広く活躍している。
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