動物看護士・トリマー執筆
トリマー 動物看護士
山之内さゆり先生
黄金色のような美しい毛色とサラサラとした毛並みが特徴のゴールデンレトリバーは、その落ち着いた雰囲気とは正反対の元気いっぱいの愛嬌が特徴的で、その魅力に魅入られている人も少なくないのではないでしょうか。
そんなゴールデンレトリバーは、アンダーコート(下毛)とオーバーコート(上毛)からできているダブルコートで、しかも毛量がすごく多い犬種なので、水にぬれた時に表面は濡れていても中の方は濡れにくく、濡れたら濡れたで毛量が多いため乾きにくいという特徴もあります。
また、濡れてしまっても毛質だけで言えば乾きやすい毛質ではあるのですが、毛量が多いために乾きにくいという両面をもっています。
そして、ダブルコートといえばアンダーコートによる換毛期があり、あれだけ大きな体に覆われている毛なのでその量も小型犬とは比べ物になりません。
春先や秋口になると普段よりもたくさんの抜け毛が目立つようになるので、毎日のブラッシングを欠かさず行なったりトリミングの回数を増やすなどして、状態を維持してあげるようにしましょう。
ゴールデンレトリバーはロングのダブルコートで、しかも毛量が多いということもあって湿度を溜め込みやすい状態にあります。
湿度が溜まりやすいということは皮膚と被毛の間の通気性が良くはないということなので、こまめなブラッシングとトリミングをして、できるだけ風を通しつつ清潔な状態にしてあげなければなりません。
こうした原因もあって、ゴールデンレトリバーは脂漏症やマラセチア、乾かし不十分による皮膚炎といった皮膚トラブルが多く、さらに皮膚が乾燥もしやすいためフケが見られることもよくあります。
毛量が多く通気性が悪いとどうしても細菌が繁殖しやすい状態になるため、こうした皮膚トラブルを抱えやすい傾向にあるんですね。
小型犬と違って体全体を観察するというのはちょっと大変かも知れませんが、日頃のスキンシップから状態の変化にできるだけ早く気付き対処できるようにしてあげましょう。
ゴールデンレトリバーは大型犬なので、爪は太く硬く、肉球は広く厚く、口も大きく歯がしっかりしています。
こうして書くと他の犬種と比べて丈夫なんだろうなぁ、と感じるかも知れませんが、体が大きいため各部分にかかる負担も大きいのも事実です。
ですから、爪もこまめに短く切ってあげたり頻繁にお散歩に行ってあげたりしないと、爪が伸びて根元から爪が折れてしまうこともあります。
肉球も重たい体重を支える分硬くなりがちなので、そのままにすると地面にヒビが入ったようになってしまうだけでなく、弾力のない肉球はそれだけ足腰にも負担がかかるので、若いうちから保湿をして弾力のある肉球をできるだけ保ってあげましょう。
また、口内ケアはゴールデンレトリバーに限ったことではありませんが、歯石の予防や除去をして清潔に保つことで歯周病や口臭を防ぐことができます。
いつまでも元気でいてもらうためにも、なってしまってからではなく、なってしまう前にケアをしてあげてくださいね。
ゴールデンレトリバーの毛並みをキレイにしたいなら、まずは正しいブラッシングをこまめに行なうことが第一です。
キレイにするというとまずはシャンプーだと思いがちですが、その前にブラッシングができていないとシャンプーが悲惨なことになってしまうので注意が必要です。
先にお話ししているように、ゴールデンレトリバーはロングのダブルコートで毛量が多いという特徴から、水にぬれると乾きにくく湿度を保ちやすいとい犬種になります。
そのため、先にブラッシングで十分にムダ毛を取り除いてからでないと、シャンプーでキレイになるどころかシャンプーとすすぎ残しによる洗い不十分で、逆に不衛生になり皮膚トラブルのもととなります。
そうならないためにも、コームとスリッカーブラシを上手に活用して、まずはムダ毛を取り除き毛もつれや毛玉のない状態にすることが大事になります。
毛量が多いとはいっても、ひどくなる前に何事もない状態からブラッシングをしてあげればそこまで手間もかかりませんし、比較的楽にお手入れはできます。
ブラッシングをするポイントは根元から進めていくこと。まず最初に使うのはスリッカーブラシです。地肌まで毛をかき分けて、根元から優しくブラッシングをしていきます。
そうすると、溜まった抜け毛がスリッカーブラシにたくさん絡めとられてくるので、毛もつれを取りながら少しずつブラッシングの範囲を広げていきましょう。
手間がかかるからといってあちこち分散させながらブラッシングしてしまうと、ブラッシングできているところとそうでないところがわからなくなって、逆に時間がかかってしまうので1ヶ所ずつ確実に進めていきます。
スリッカーブラシである程度ブラッシングができたら、一度コームを根元から通してみましょう。根元にコームを当ててゆっくりスライドさせます。
このときコームは粗目の方を使います。細目の方は最終チェックで使うのですが、いきなり細目の方を使ってしまうと完全に取り切れていないムダ毛に阻まれてブラッシングができないので気を付けてください。
粗目のコームで根元からコームを通すと、若干の抵抗を感じるものの同時にたくさんのムダ毛が取れると思います。それは、スリッカーブラシでは取り切れないものでつい見逃しがちになってしまっている毛です。
スリッカーブラシの役割はもつれや毛玉を除去し、コームが通りやすい状態にすることであって、ムダ毛を除去することとは少し違います。
ムダ毛を除去するという意味ではコームが一番最適なのですが、もつれや毛玉があるとそもそもムダ毛を除去ができないため、先にスリッカーブラシを使ってからコームを使うという認識でいてもらえれば大丈夫です。
そして、粗目のコームでムダ毛が取れなくなったら今度は細目のコームを使います。細めのコームを使うときは最終段階だと思ってください。
粗目で取り切れなかったムダ毛を細目で取り除くといった流れにいなるので、根元からゆっくり動かしてみましょう。最初はまたたくさんのムダ毛が付くと思いますが、細目で通ることができるということは、ブラッシングが順調にできている証拠です。
そのまま繰り返しコームを通していると、次第にほとんど毛が抜けなくなってきます。そうなったら最後にまたスリッカーブラシで毛並みを軽く整えて完了です。
こうしてブラッシングがしっかりできていれば、シャンプーもしやすいですし、すすぐ時もムダ毛に泡が取り残される心配がないのでしっかり洗い流すことができます。
そして、毛量が多いために乾きにくかった毛が嘘のように風が中に通るので、すごく乾きやすく驚くと思います。
ただし、大きさばかりはどうにもできないのであまり頑張りすぎず、特別なお手入れは毎月のトリミングに頼ってみてもいいでしょう。
ボールちゃんは元気いっぱいのちょっと一回り大きな男の子で、毎月定期的にトリミングに来てくれていました。
トリミングの前には必ず皮膚や被毛の状態をチェックするのですが、よく見るとフケとベタつきを感じました。
飼い主さんは遊びに出ることで付着した汚れだと思っていたようですが、乾燥によるフケと皮脂の過剰な分泌によるベタ付きだったため、保湿をメインとしたシャンプーとトリートメントをすることにしました。
ベタつくというとしっかり洗ってベタベタを落とさなきゃ!と思うかも知れませんが、それも原因や状態によるので必ずそうとも言えません。
ボールちゃんの場合は保湿をメインとしたシャンプーをすることで、余分な皮脂を洗い必要な皮脂は残すといったやり方で十分だったため、洗浄力の強い物は使わずマイルドな洗い上がりで保湿をして乾燥を防ぐようにしました。
1回のトリミングでも十分毛触りや皮膚のベタつきはなくなり、1ヶ月後のトリミングで再度状態を確認しましたがフケも落ち着いてベタつきもほとんどなくなっていました。
乾燥から守ろうと皮脂が出過ぎていたのが原因だったため、地肌から保湿をしてあげることでサラサラですっきりした皮膚と毛並みになり、繰り返さない為にもこのお手入れ方法を続けています。
ゴールデンレトリバーの皮膚や毛並みをチェックする際には、必ず地肌を見るようにしましょう。
ぱっと表面を見ただけでは肌がどんな状態かもわかりませんし、乾燥していたらフケが出るからすぐわかると思っていても、フケが毛に付いて表面からでもわかるときというのは相当乾燥している状態でもあるので、早く気付いてあげるためにも、毛をかき分けてみてください。
その時に、フケらしきものはないか、薄皮が浮いたような状態になっていないか、かさぶたはないかを確認します。そして、手をパーに広げて毛の奥まで指を入れ込んでみてください。
そうすると地肌や毛の根元までチェックすることができ、ベタつきはないか、毛玉やもつれはないかなども確認することができます。
あとは日頃からスキンシップを取っていれば、ささいな変化にも気付くことができるので、気を張らず楽しみながらチェックしてみてくださいね。
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*このコラムは山之内さゆり先生に記事を作成して頂きました。
【山之内さゆり先生】
トリマー、動物看護士
約10年間動物病院でトリマー兼動物看護士として勤務。現場で得た知識と経験を情報として発信し、飼い主さんとペットが幸せに暮らせるためのお手伝いをしていきたいと思います。
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