愛玩動物飼養管理士執筆
愛玩動物飼養管理士
青山ケンネルスクール認定 A級トリマー
大谷幸代先生
トイプードルは元々抜け毛が少ない犬種です。抜け毛が少ない理由は、プードルの被毛は抜け変わりのサイクルがとても長く、抜け落ちる前にトリミングやシャンプーで取り除く事が出来るからです。
プードルという犬種は非常に賢く、運動量が多い活発な犬種です。見た目のかわいらしい外見とは異なり、元は猟犬としても活躍していた歴史もあります。その為、室内でのんびりとした生活よりも、ドッグランやスポーツなどで十分に運動が出来る生活が理想的です。
実際に、トイプードルと生活を始めてみると、その活発さ、運動能力の高さに驚く事でしょう。またプードルは大変体が丈夫な犬種で、長寿犬としても有名です。15歳、18歳と長生きをする事も珍しくありません。
プードルの体は、くるくるとカールした被毛で覆われています。被毛は適度な弾力があり、根元がしっかりと立ち上がっている状態が健康な状態です。
愛犬の被毛の状態が
・根元がベタっと寝てしまっている
・部分的に円形脱毛がある
・被毛が束になって抜ける
・被毛が全体に薄く、地肌が見える
・かゆみがある
などの状態の時は、動物病院を受診し早期に治療をしてあげましょう。
健康な状態のトイプードルの被毛は、非常に密集度が高く、乾いた状態であれば地肌が見えません。もし乾いた状態で地肌が見える場合は何等かのトラブルを抱えているサインです。
脱毛や薄毛の理由には
・ストレス
・栄養状態の悪化
・ホルモンバランスの不調
・皮膚の乾燥
・アレルギー
・真菌、カビ、寄生虫
などがあります。
また子犬を購入するときは、被毛がしっかりと密集した状態にあるかを確認すると安心です。繁殖場の環境や先天的な病気を持っている場合、未熟児や授乳期の栄養不足から生後間もない時期ですでに被毛が薄くなることもあります。健康で長生きをし、家族として共に生活をするためにも子犬を選ぶ時の基準として被毛の状態の見分け方を覚えておきましょう。
どのような症状がありますか?動物病院を受診するポイント
本来抜け毛が少ないはずのトイプードルの抜け毛が気になる時は、動物病院の受診を考えるでしょう。
①かゆみがある場合
②部分的な円形脱毛がある場合
③脱毛部位の広がり、悪化がみられる場合
④食欲不振、下痢など他症状を伴う場合
⑤被毛を軽くつまむだけで、束になって抜ける場合
などです。
怪我などで一時的に脱毛してしまった場合は、数日~数週間で被毛が生え揃います。怪我の場合、つよいかゆみを伴う事はありません。
脱毛の原因である真菌、カビ、マダニなどは、人間に移る事もあります。症状に気がついたらすぐに動物病院を受診しましょう。
どのようにして治療しますか?
トイプードルは大変賢く、繊細な気質を持っています。また運動量も多いので、終日サークル内で留守番をする、毎日散歩に行かないという生活でストレスを感じ、脱毛症状や薄毛症状が起こることもあります。
ストレス性の脱毛の場合、生活環境を改善する事で次第に改善が見られます。
改善の方法は
①知育玩具など頭脳運動が出来るおもちゃを積極的に与える
②週末など時間がある時は、ドッグランや他犬との交流の場へ参加する
③短時間で効率的に運動をするためにボール投げ、フリスビーなどを覚えさせる
愛犬のストレス、運動不足を解消しなければと飼い主が義務感を感じてしまい、トイプードルとの生活を負担に感じてしまうこともあります。
お互いがストレスを軽減し、楽しく生活が出来る事を第一に考え「効率的な運動法」を取り入れてあげましょう。
生後5,6歳頃までのトイプードルは大変運動量が多く、活発です。トイプードルが疲労感を感じるまで運動をさせる事はなかなか難しいといえるでしょう。理想的な運動量は全力で15分~30分ほどで十分と言われています。日々の生活に愛犬が全力運動を出来る時間を作ってあげる事で、ストレス解消を目指しましょう。
強いかゆみ、湿疹、赤み、脱毛がアレルギーの代表的な症状です。アレルギーを発症した場合は、血液検査を受けその原因をしっかりと確認したうえで、食事療法で対処しましょう。
食事療法とは、愛犬のアレルギー源となる物質を食事から除去し、症状の発症を予防する方法です。
食事療法で症状が治まった時、アレルギーの完治と勘違いをされがちですが、一旦発症したアレルギーが完治する事はありません。食事療法は生涯を通じて継続しましょう。また年齢や体調、環境によってアレルギー源が変化する事もあります。愛犬の体調の変化がみられる時は、再度血液検査を受け、都度原因の確認をしてあげましょう。
円形脱毛や束になって被毛が抜ける、軽くつまんだだけで大量に被毛が抜ける場合は、真菌やカビ、寄生虫による脱毛の場合があります。
この場合、飼い主への感染を予防する為にも早期対処が必須です。動物病院を受診し、皮膚組織の検査を受け、どのような原因かを確かめます。治療方法は、毎日の投薬、塗り薬、薬用シャンプーでの殺菌が一般的です。
症状が重度な場合は、毎日薬用シャンプーで洗い、患部を清潔に保つ必要があることもあります。完治までには数か月かかる事もあり、自宅でのシャンプーをスムーズに済ませるために、全身の被毛を出来る限り短く切り揃えるとよいでしょう。短く切り揃える事で患部の状態を確認しやすくなる上に、シャンプー後のドライヤーも短時間で済ませる事が出来ます。
トリミングを依頼するときは、治療中であることを必ず事前に伝えましょう。
普段からどんなことに注意して飼ったらいいですか?
トイプードルは比較的食へのこだわりが強く、好き嫌い、偏食、少食のお悩みが多い犬種です。その為、食事選びもつい嗜好性や愛犬の好み、風味を重視し選びがちです。
でも嗜好性の高いドッグフードの中には添加物が多く含まれていることもあり、アレルギー発症のリスクも高い事を承知しておく必要があります。
脱毛や薄毛の原因となるアレルギーの抑止に食事管理は欠かせません。ドッグフードを選ぶ時は、品質、原材料を重視し、安全な上に嗜好性も高い製品を選ぶようにしましょう。
爪先の脱毛でお悩みのフワリは2歳のトイプードルの男の子です。フワリの脱毛の原因は、自身で前足の被毛を引き抜いてしまう事です。毎日繰り返すので、前足は被毛がなく、かさぶた、出血があり散歩中も足の痛みを感じているほどです。
運動不足でストレスをためないようにと日々散歩に出かけ、アレルギーが起きないように食事は手作りをし、飼い主さんはこれ以上何をしてあげたらいいのか?と頭を抱えていました。
フワリのこの問題行動の原因は、実は飼い主さんのお手入れのしすぎが原因でした。
散歩から帰宅した際はフワリの足を毎回水道で洗い、被毛が伸びればバリカンで切り揃え、日々何度もフワリの足に触れていたそうです。
でもフワリは足に触れられる事が大の苦手です。足洗い、シャンプー、バリカンと度々のお手入れがストレスになっていました。
そこで、フワリの足先をトリミングショップで短く切り揃え、指がしっかりと見えるスタイルに変更しました。
これまでに比べ自宅でのお手入れ時間が半分以下になり、次第にフワリ自身が足先を気にする事も少なりなり、被毛を引き抜く事も改善されました。
トイプードルは本来とても体が丈夫な犬種です。被毛が多少薄くなっても、他に目立つ不調がない場合、体質だからと安易にとらえてしまう飼い主さんも少なくありません。
健康な状態の被毛の密集度を知っておくと、不調にも直ぐに気がつく事ができ、早期に治療をしてあげることが出来るでしょう。
*このコラムは大谷幸代先生に記事を作成して頂きました。
【大谷幸代先生】
愛玩動物飼養管理士
青山ケンネルスクール認定 A級トリマー メディカルトリマー
学生時代にイギリスへドッグトレーニングの勉強のため、短期留学。その後、ペットショップ販売員、トリマー、ドッグトレーナー、ペットシッターなど様々な仕事を経験してきた。ホリスティックケアアドバイザーや日本アロマテラピー協会認定アロマテラピーインストラクターなどの資格も取得。ペット関連用品の開発、雑誌などへのコラム執筆を手がけるなど、【犬を飼う生活から、犬と暮らす生活へ】の実現をめざし、幅広く活躍している。
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