動物看護士執筆
犬、猫のお腹の調子大丈夫?
公益財団法人 日本動物愛護協会
相談室長 動物看護士 大橋志保
ジメジメ、どんよりした梅雨真っ最中です。この時期は、梅雨ならではの愛犬の散歩や体調管理等の心配事が増えます。私たちもこの気候に憂鬱になり、不調を訴える方が増える中、犬や猫も元気がなくなり、体調を崩す話をよく聞きます。犬や猫も些細なことでお腹の調子を崩すことがあり、今、まさに我家の犬猫が時間差で、軟便~下痢気味!思い当たる節があるので労わっています。(我家の原因はストレス!)
軟便、下痢の原因が食べ物の時もあれば、環境の変化や季節の変わり目、ストレス、病気などさまざまです。いつもと違うしぐさやうんちの状態の場合は対処してあげましょう。そのためにも日頃の観察が重要となります。
体は正常なのに、引っ越しで環境が変わったり、見知らぬ人や犬猫等が増えたりしたときはストレスを感じることがあります。我家はまさにその状態です。家族以外の居候(仔猫たち)がいるため、とても気にしています。元気すぎるほど元気ですが、何かと手のかかる状態になっています。たくさんかまってあげるとうんちが形になり、放っておくと形がとろけるので、わかりやすいです。
お腹(腸)の冷えから調子が悪くなることもあります。これからの時期はエアコンやひんやりグッズなどで、お腹を冷やし過ぎてしまうことも・・・特に体温調節の難しい幼齢期やシニア期は要注意です。
拾い食いや誤食に注意しましょう。誤食したときは、数時間経過した後に尋常ではない下痢・嘔吐、痙攣、ぐったりするなど、全身状態が悪化することがあります。何をどのくらい食べたか獣医師に伝えましょう。化粧品や整髪料、掃除用洗剤もなども舐めたりしないよう注意!
猫の場合、置き餌をされている方はご注意ください。高温多湿のこの時期は細菌が増殖して食中毒を起こしやすくなります。食器の取り扱いにも注意しましょう。
食事量の増加やフードの変更、味のついた水(缶詰を溶いたり、煮汁等)等、思い当たることがあれば元に戻して様子をみましょう。
寄生虫の感染によるもの。大人の犬猫では症状が出にくいこともあるので注意しましょう。
ウィルス、細菌感染によるもの。
癌や腫瘍、食物アレルギー等、お腹の調子を崩す原因はたくさんあります。
体の中にあるものを排出させてしまった方がよい場合も・・・獣医師に相談しましょう。
下痢は体内から大量の水分を奪っていくため脱水症状を起こしやすくなります。かと言って水分の摂り過ぎが原因の場合もあるので、時間をかけて少量から与えてみましょう。
お腹を休めるために絶食をすすめられることもありますが、ケースバイケースです。ご飯がもらえないことがかえってストレスになったり、低血糖になる場合もあります。食べ慣れた消化のよいフードをいつもの1/3くらいにしてお湯でふやかして与え、様子を見ましょう。ふやかすことで、消化をしやすくし水分を多く取ることができます。
体の外からも中からもお腹(腸)を冷やさないようにしましょう。食事の見直しや冷やす効果のない綿素材の布やクッション等を置いたり、場合によっては腹巻や洋服を着せるなど対処が必要です。
下痢を起こしたあとの腸内は悪玉菌でいっぱいです。腸内環境を整える乳酸菌の摂取が推奨されます。
腸内環境が乱れやすい(お腹の調子を崩しやすい体質、アレルギー体質、幼齢期やシニア期など)犬猫は普段から乳酸菌を与えることで体質改善が期待されます。かかりつけの獣医師に相談してみましょう。
食物繊維は便を固形にするために必要となりますが、食物繊維を消化するのが苦手な体質、食物繊維が多すぎる場合もお腹の調子が悪くなります。「お芋を食べるといい」などよく耳にしますが、体質的に合う・合わないがあります。食物繊維を含む食材は、お米や炭水化物に限らず、キノコ類、海類とさまざまです。
お腹の調子が優れないことは、私たち人間をブルーな気持ちにさせます。犬や猫も言葉にださないものの、丸くなって震えていたり・・・
うんちがいつもより柔らかい場合、元気があるようであれば食べすぎの可能性が高いです。
犬猫が元気な場合は、1~2日様子をみてみましょう。その際、食事と水分には十分気をつけてあげてください。でも、食欲がない、元気がない時は、できるだけ早く動物病院を受診することをおすすめすます。その際は、うんちをお忘れなく!
*公益財団法人 日本動物愛護協会 相談室長 動物看護士 大橋志保先生 に記事を作成して頂きました。
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